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WordPressが制作会社に向かない理由

2026年2月14日 13時10分

制作会社にWordPressが向かない理由を、保守負担・セキュリティリスク・価格競争構造の観点から解説。受託依存から脱却するためのCMS戦略も紹介します。

制作会社に WordPress が向かない理由

Web制作の現場において、WordPressは長年「標準CMS」として利用されてきました。
低コストで導入でき、情報も豊富で、拡張性も高いため、多くの制作会社が採用しています。

しかし近年、制作会社のビジネス構造が変化する中で、WordPressが必ずしも最適とは言えないケースが増えています。
本記事では、制作会社の収益性・運用効率・競争力という観点から、WordPressが抱える構造的課題を整理します。

1. 保守コストが積み上がりやすい

■継続的な更新作業が必須

WordPressは本体・テーマ・プラグインという複数要素で構成されています。そのため運用時には以下の対応が継続的に発生します。

・本体アップデート
・プラグイン更新
・テーマ互換性確認
・セキュリティ対応

これらはサイトが増えるほど比例して工数が増加します。

■ 更新がリスクになる場合もある

アップデートにより以下の問題が起きることも珍しくありません。

・表示崩れ
・機能停止
・他プラグインとの衝突

結果として制作会社は、

「更新しないと危険」
「更新すると不具合が出る可能性」

というジレンマを抱えます。

■利益を圧迫する保守構造

WordPress案件は以下の構造になりやすいです。

制作費 → 一度きり
保守費 → 低単価

サポート → 高工数

結果として、保守契約が増えるほど利益率が低下するケースが多くなります。

2. 制作会社の差別化が難しい

■技術的優位性を築きにくい

WordPressは世界的に普及しており、テンプレートやプラグインも豊富です。
これは導入のしやすさというメリットの一方で、

・他社と同じ構成になりやすい
・制作品質の差を出しにくい

という課題を生みます。

■ 価格競争に巻き込まれやすい

制作手法が標準化されると、顧客は比較しやすくなります。

同じCMS
同じ構成
同じ機能
この状態では、最終的に価格競争に陥る傾向があります。

3. 顧客離脱リスクが高い

■ 移転が容易

WordPressは汎用CMSのため、以下が比較的容易です。

・サーバー移転
・別制作会社への乗り換え
・保守契約の解除

制作会社にとっては、長期契約を維持しにくい構造になります。

■ 顧客依存度が低い

顧客側もWordPressに慣れている場合が多く、

・自社運用へ移行
・他社へ乗り換え

が起きやすくなります。

4. サポート工数が膨らみやすい

■ プラグイン構成が案件ごとに異なる

WordPressは自由度が高いため、制作案件ごとに構成が変わります。

案件A → プラグイン10種類
案件B → 別のプラグイン構成

この結果、

・サポートが属人化
・トラブル対応が複雑化

しやすくなります。

■ 顧客が自由に変更できるリスク

WordPressは管理画面から顧客が自由に設定変更可能です。
これにより

・意図しない設定変更
・セキュリティ低下
・表示崩れ

が発生し、制作会社のサポート負担が増加します。

5. ストック型ビジネスを作りにくい

■ 制作費中心の収益構造

WordPress案件の多くは、

制作費が主収益
になりやすいです。

■ 継続課金が弱い

保守費は設定できるものの、

・価格競争が起きやすい
・顧客が解除しやすい

という課題があります。

■ 事業拡大が人材依存になる

制作案件を増やすには、

人を増やす
以外の選択肢が少なくなります。

6. セキュリティリスクの増大

WordPressは世界的に利用されているため、攻撃対象になりやすいCMSです。
特にリスクが高まる要因として、

・プラグイン脆弱性
・テーマ開発品質の差
・更新遅延

などがあります。
セキュリティ事故が発生すると、制作会社の信頼性に直接影響します。

7. ノウハウが蓄積されにくい

WordPress案件は自由度が高い反面、以下の問題があります。

・案件ごとに構成が異なる
・運用ルールが統一できない

結果として、制作会社内部での

標準化
自動化
教育効率
が進みにくくなります。

まとめ

WordPressは非常に優れたCMSであり、多くの案件に適しています。しかし制作会社の事業視点で見ると、以下の課題が存在します。

■ WordPressが制作会社に与える主な課題

・保守コストが積み上がる
・差別化が難しい
・顧客離脱が起きやすい
・サポートが属人化する
・ストック収益を作りにくい
・セキュリティ対応負荷が高い

近年、多くの制作会社がこれらの課題を背景に、

CMSを自社サービスとして提供するモデル
へと移行を検討しています。
このビジネスモデルは、収益の安定化・顧客継続率向上・運用効率改善といった効果が期待できるため、制作会社の新たな成長戦略として注目されています。
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